動物病院で獣医師に、療法食を勧められる事があります。この療法食とは一体どのようなものなのか、まとめてみました。気になっている方や、現在療法食を与えているという方も参考にしてください。療法食とは、病気を抱えている犬や猫のために、病気の進行を抑えることを目的として栄養素などを調整しているフードのことです。人間でも糖尿病や腎臓疾患などの人は食事制限すると思いますが、それと同じようなものです。療法食を勧められる代表的な疾患などは、次のようにまとめられます。

尿石症

尿石症は尿の酸性・アルカリ性のバランスが崩れることで結石が生成しやすいため、酸性・アルカリ性を調整したものを与えます。また結石の元となる成分を制限する必要もあります。尿の濃度が濃くなると結石ができやすいので、飲水量を増やし、尿をたくさん出すことも大切です。

アレルギー

アレルゲンが特定しているのなら、アレルゲンの含まれないフードを与えます。大切なのはほかのものは一切与えず、療法食と水だけを与えるようにしましょう。おやつにアレルゲンが含まれていると、療法食の意味がなくなってしまいます。

消化器系疾患

消化しやすいものを与えます。また消化器に負担をかけないように、低脂肪になっているものを与えます。フードは少量を数回に分けるか、お湯に浸してあげるのも効果的です。

心臓疾患

心臓病は小型犬に多い疾患です。心臓病になると塩分を制限し、心臓の働きをサポートする栄養成分のタウリンやカルチニンを多く含むフードを与えます。また治療のために投与される降圧利尿剤で、ビタミンB群が尿によって排出される場合があるので、ビタミンB群を多く含むことも求められます。

腎臓疾患

腎臓病になると体にたまった尿毒素をうまく外に排出できなくなり、体内に蓄積されます。その尿毒素のひとつがリンです。リンは大切な栄養素でもありますが、摂り過ぎると骨がもろくなるなど体に害を及ぼします。またタンパク質は尿毒素となり症状を悪化させます。療法食はタンパク質やリン、塩分が少ないものを与えます。

肝臓疾患

肝臓では有害な毒素を分解するので、添加物が入っていないもので肝臓の負担を減らします。また、抗酸化作用の働きは肝臓をサポートしてくれるので、ビタミンが豊富なフードを与えます。また肝臓疾患があると食欲が落ちてしまうので、1回に与える量を少量にして、回数を増やして与えるようにしましょう。

肥満

一番わかりやすいのは脂肪分を少なくし、摂取カロリーを抑えることです。かといって、単にフードの量を少なくしてカロリーを減らしたのでは、栄養不足になってしまいます。少ない量でも高タンパクなものや、消化吸収率のよいフードにしましょう。

では次に、療法食を与えるうえでの注意点は、どのようなことがあるのかをまとめてみます。

獣医師の指示を大事にする

療法食もネットで手軽に購入できますが、療法食は健康な犬が食べ続けると栄養不足になり、健康を損なうことがあります。勝手に判断せず、獣医師の指導のもと与えるようにしてください。

食事量を守る

与える量は正確に量って与えるようにしてください。おやつを与えるときも、必ず獣医師に相談しましょう。

療法食は薬ではない

当然のことながら療法食は薬ではないので、それを食べたからといって治るものではありません。あくまでも病気の進行を抑えることや、悪化させないことを目的としています。病気の進行具合では、効果がないこともあります。

療法食は危険と隣り合わせ?

療法食は健康な犬が必要とする栄養素を調整しているわけですから、単純に考えるとある栄養素を少なくしている場合はその栄養素が足りなくなってくるわけです。そのため療法食は副作用と同じように、新たな病気を引き起こす原因になってしまう可能性もあるということを、考えておかなくてはいけません。

ただ、療法食でなくてもその病気に効果のあるフードもあります。例えばダイエットしている犬猫は脂肪分を少なくしているため、皮膚がカサカサになったり毛ヅヤが悪くなったりすることがありますが、低脂肪でも、オメガ3・オメガ6脂肪酸を含む良質な脂肪ならそれも改善します。ただ単に栄養素を制限するのではなく、良質なものを与えてほしいと思います。

療法食のドッグフードまとめ

あまり療法食にとらわれ過ぎるのも危険なこともあります。現に肝臓サポートの療法食にも関わらず、犬猫に危険な保存料や酸化防止剤を使っているフードなどもたくさんあります。無理に療法食を与えなくても、少量でも栄養価の高いものや無添加のもの、消化吸収率の高いもの、アレルゲンが少ないものなどできるだけそういうフードを選べばいいのではないでしょうか。また、延々と療法食をあげ続ける事を勧められる事もありますが、私たちは早めの卒業をお勧めします。早く良質の総合栄養食に戻し、改善から健康維持への生活に移行する事が、愛犬や愛猫にとっての幸せであると考えます。